SUIMON -水紋-

かつて東海道56番目の宿場町として栄えた枚方は現在、その宿街道が五六市などの催しで再活性途な背景を踏まえ、
「街道沿いに建てる家なので、町なみに還元したい」とのクライアントのご意向から、家づくりは始まりました。
敷地の街道側には瓦を載せた門塀を建て、瓦屋根や漆喰壁を使い、竪格子やウダツを設け、古来の街道の景観を継承しながらも、各部の装飾を抽象化した外観としています。
街道からのプライバシーを確保するために外に対して閉じているため、各層はそれぞれ回遊型の動線とし、奥行きを感じられるよう計画しています。
また、それら各層が階段と吹抜けを介してタテ方向へ繋がることで、上層からの採光が下層まで拡がり、下層からの風が上層まで通り、家全体が一体となり機能する構成としています。
かつての宿街道の佇まいは薄れ、歴史的文脈のない建物が建ち並ぶ敷地周辺。その風景に投じる一滴として、水紋のごとく波を立て拡がればと願います。
hirakata/OSAKA 2013
撮影 笹倉洋

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